みなさん『腎不全』というものをご存知ですか?
腎不全とは犬の病気の中で恐れられている病気の一つでもあります。腎不全にもステージがありますが最初のうちに気づければ早めに治療することができます。
今回は腎不全の各ステージごとの病状と腎不全の治療法について紹介します!
目次
犬の腎不全とはどんな病気?
腎不全とは腎臓の機能が低下し正常に機能しなくなる病気の一種です。
腎臓の機能の働きには体内の老廃物やいらない水分をろ過し体外に排出する働きがあります。
しかし、これが何らかの原因で正常に機能しなくなりました老廃物や余分な水分が体内に残ってしまうと腎不全を引き起こしてしまうのです。
犬の腎臓には約80万個ほどの『ネフロン』という組織から作られておりそれが尿を作ったり、赤血球を作り出したり、骨を強くしたりと重要な働きがあります。
腎臓の機能というよりかはこのネフロンという組織のおかげで体内環境を整えてくれているのでこのネフロンが傷ついたり、壊れると腎不全を引き起こします。
またこの腎不全という病気は犬が病死する原因第3位にも入っています。それほど恐ろしい病気なのでなった際は適切な治療を受けることが大切です。
犬の腎不全には『急性腎不全』と『慢性腎不全』がある
犬の腎不全にも2種類あって『急性腎不全』と『慢性腎不全』というものがあります。
それぞれ特徴やどんな症状が出るかなどを以下にまとめてみたので見ていきましょう!
①急性腎不全
この急性腎不全とはわずか数時間から数日の間に急に腎臓の働きが低下し腎不全を引き起こしてしまうことを言います。
次に紹介する慢性腎不全よりかは発症する確率は低いですが急に発症する場合が多く手遅れだったというケースがよく見られます。
原因としては
- 血液量の減少
- 毒素を含んだ物を体内に取り込んだ
- 結石・腫瘍・膀胱の破裂などにより尿が排出できなくなった
などが考えられます。
症状は
- 突然の嘔吐
- 元気がなくなる
- 尿が出ない
などの症状がよく見られます。
②慢性腎不全
慢性腎不全は急性腎不全と違って数か月から年単位で腎臓の働きが低下していく腎不全のことを言います。
急性腎不全よりもなりやすくネフロンを壊されると元に戻りません。
そのため放置しておくとネフロンの数は減り腎不全の病状も悪化するため命の危険性にも関わってきます。
原因としては
- 腎臓の腫瘍
- 糸球体腎炎
- 遺伝
などが考えられます。
症状は
- 水をたくさん飲む
- おしっこの回数がやたらと多い
- 下痢や嘔吐をよくする
が考えられます。
犬の腎不全の4つのステージ
特に慢性腎不全にはいくつかステージがあって各ステージごとに病気の進行度や症状を判断することができます。
腎不全には4つステージがあるのでそれぞれ紹介していきます!
①ステージ1
ステージ1ではそんなに大きな症状は見られません。おしっこの回数や量が以前と比べて増えたと感じる程度です。
血液検査で検査をしても異常がないと診断されることも多いためなかなか気づきにくい状況があります。
②ステージ2
ステージ2になると徐々に血液検査でも異常が見られるようになります。ほんのわずかですが異常は見られます。
また犬の状態としては水を多く飲み、尿を多く排出しますが元気である場合が多いです。そのため、腎不全とはこの段階でも気づきにくいところではあります。
③ステージ3
ステージ3では深刻な状況になります。
腎臓の機能が低下し体内に老廃物や余分な水分が溜まり体外に排出できず元気がない状況や下痢・嘔吐、食欲不振が続きます。
これが重症化すると血尿や血便といったものに繋がります。さらには尿毒素により体が震えたり、痙攣することもあります。
この段階で始めて飼い主が気づくことが多いです。
④ステージ4
ステージ4はもう末期の状態なので基本的には治療をしていかないと生き続けることは難しい状況になります。
重症化しているため口臭が尿の臭いがしたら余命は数ヶ月と告白される場合がほとんどです。
ひどい場合はそれに痙攣や震えが止まらない状況も続くので最期の覚悟をしておく必要があります。
犬が腎不全になった際の治療法
犬が腎不全になった際はどう治療していけばいいか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
犬が腎不全になった際の治療法について紹介していきます!
①食事療法
腎不全は尿毒素の原因ともなる『たんぱく質』や『リン』、『ナトリウム』などを中心に制限していく必要があります。
なので、こういった成分に気をつけつつ栄養のある食事を摂らせることが重要になってきます。
例えば、ヨーグルトを与えたりドライフードをお湯でふやかしたりすると食べやすい環境も作れ栄養満点なため効果的です!
②点滴をうつ
腎不全になると点滴をうつことがまず行われます。
点滴の頻度はその腎不全の進行度にもよりますが何しろ点滴をうち安静にすることが多いです。
点滴方法は動物病院で点滴をうつ場合もあれば自宅で皮下点滴をうつ場合もあります。
③薬が処方される
腎不全に直接効く薬というものはありませんが腎不全によって下痢や嘔吐、おしっこの量が少ないなどの症状に効く薬は処方されます。
下痢や嘔吐を少しでも和らげるための薬やおしっこを排出できるように利尿薬が処方されることはあります。
腎不全によって免疫力や体力も低下しているので風邪やウイルスに感染しやすい状況にもなるので気をつけましょう。
腎不全から愛犬を守ろう
腎不全は犬にとっても飼い主にとっても天敵な存在です。
特に高齢犬などの腎臓機能が低下しやすい年頃の犬は気をつけてください!
腎不全を発症しても最初はわかりにくい場合が多いですが異変に気づいたら動物病院で血液検査を受けるのもいいでしょう。
早め早めに動くことで末期で腎不全を発見する時よりも効果的な治療を受けられて早く治る可能性があります。
愛犬の様子を見て自宅でできることや動物病院に連れて行くことなどが重要です。