犬が肺水腫を引き起こしてしまうと呼吸困難に陥り、最悪の場合死に至ることも珍しくありません。
肺水腫にならないように対策をしたり、初期症状から早めに対処できるようにしてあげたいですよね。
今回は、犬の肺水腫の原因、症状、治療法、対策などを紹介していきます!
目次
犬が肺水腫になる原因
犬が肺水腫になる原因としては心臓が原因の『心原性肺水腫』と心臓以外の場所が原因の『非心原性肺水腫』です。
心原性肺水腫は心臓の働きに異常が起き、肺内に血液成分が漏れ出します。
心原性肺水腫が起こるのは僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症が考えられます。
非心原性肺水腫は主に熱中症や肺炎、気道閉塞が原因で起こります。
犬は汗をかきにくい体質なため熱中症にかかると余計に熱を体内に溜め込んでしまうため肺水腫を起こしやすいのです。
肺水腫は主にいろんな病気と合併して引き起こしやすい病気の一つです。
犬の肺水腫の症状
心原性肺水腫にしろ非心原性肺水腫にしろ呼吸困難で苦しくなることは同じです。
肺水腫でも軽度の症状(初期症状)と重度の症状があります。
軽度の症状(初期症状)
- 食欲がない
- そわそわする
- 呼吸困難なため姿勢がおかしい
- 湿った咳をする
- 呼吸の仕方が変わる
といった症状が多いです。
一見するとただの体調不良に見えますが呼吸の仕方や湿った咳の回数が多い場合は肺水腫の始まりかもしれないです。
重度の症状
- ゼーゼーと呼吸する
- 舌の色が紫色に変色
- 横向けが苦しいためお座りして開口呼吸
- 血液が混じったピンク色の泡状のものを吐き出す
といった症状が多いです。
こういった症状が見られたらかなり危険な状態です。
舌が紫色に変色するのはチアノーゼが原因で酸欠状態に陥っている可能性が高いため応急処置を行わないと命が危ないです。
肺水腫の重度は本当に危険なので犬の状態を常に見張っておきましょう!
犬の肺水腫は命を奪う危険性がある!?
犬の肺水腫でも重度で突発的である場合は命を落とす危険性は十分にあります。
肺水腫は最初は気づきにくですが重症化すると呼吸の仕方がおかしかったり、舌の色が変色したり、苦しそうにする姿などがよくわかります。
多くの肺水腫は心不全や僧帽弁閉鎖不全症などによって併発されることが多く、肺水腫以外にも病気を抱えていることがほとんどです。
突発的に死に至る場合は既に重症化している場合が多く気づいていないだけなのです。
なので、愛犬が苦しそうにしている姿や呼吸の仕方がおかしいと思ったらすぐに動物病院へ連れて行き治療させましょう。
犬の肺水腫の検査方法
愛犬が肺水腫であるかを検査する方法には以下のようなものがあります。
- 身体検査
- 肺エコー検査
- 心エコー検査
- 胸部レントゲン検査
- 血液検査
上記の検査方法によって愛犬が肺水腫であるかどうかを調べることができます。
では一つ一つ説明していきます!
①身体検査
身体検査では呼吸状態の確認を行います。
肺水腫が進行してしまっている時は呼吸がしにくいためお座りをした姿勢で首を伸ばし肘を外転させた状態で呼吸の状態を調べます。
②肺エコー検査
救急の際に実施されることが多いです。
③心エコー検査
肺水腫が進んでいて状況が深刻な時に実施されることが多く、肺エコー検査と同時に行うことがほとんどです。
より細かく検査するのは状態が安定してからです。
④胸部レントゲン検査
肺水腫の状態を胸部レントゲン検査により調べることができますが検査時の体勢がきつい場合はできる範囲で実施することが多いです。
⑤血液検査
血液の確保をするために実施されることが多いです。
犬の肺水腫の治療方法はコレ!
犬の肺水腫を治療する方法について紹介していきます!
①利尿剤の投与
利尿剤を投与して肺に溜まった水を尿として体外に排出させる内科療法があります。
肺水腫の時は口から薬を入れることは呼吸困難で厳しいため注射器を用いて薬を投与していきます。
利尿剤を投与したら尿として排出されるか、尿の量はどれくらいかを計測しながら定期的に胸部のレントゲン検査を行っていきます。
②酸素の吸入
肺水腫の際は呼吸困難に陥り酸素を体内に取り込めないことが多いため、高酸素室に入り酸素の吸入も行っていきます。
直接的に肺水腫を解決するわけではありませんが肺水腫により苦しい状況でも高濃度な酸素を取り入れることで呼吸困難を少しでも和らげようとします。
犬の肺水腫の対策
犬の肺水腫の直接的な予防・対策はないです。
というのも肺水腫は他の病気が原因で起こることがほとんどなため肺水腫を対策するというよりかは肺水腫の原因を作らないようにすることが大切なのです。
実際に定期健診に行ったり、犬の呼吸の仕方や犬の健康状態を様子見することが主な対策と言えます。
肺水腫は心臓の働きの異常によって起こるものなので心臓に負担をかけないような対策を行いましょう。
部屋の温度調節をすることで熱中症による肺水腫は防げますし、食事療法により心臓に負担をかけるリスクを軽減できます。
肺水腫になりやすい犬種とその年齢
肺水腫になりやすい犬種とその年齢について紹介していきます!
肺水腫になりやすい犬種
- チワワ
- ミニチュアダックスフンド
- トイプードル
- ヨークシャーテリア
これらの犬種は何らかの事故に遭った時に気道が閉塞する危険性があるからです。
なので、首輪の締め付けや強引に引っ張る行為は気道を閉塞する可能性があるのでやめましょう。
肺水腫になりやすい年齢はこれといってないです。
つまり、心臓に病気を抱えている犬であれば年齢を問わず肺水腫になるリスクは十分あります。
特に心臓が弱い子犬やシニア犬は何らかの病気で肺水腫を併発しやすいので気をつけましょう。
【まとめ】愛犬を肺水腫から守ろう!
犬の肺水腫は心臓の病気と併発しやすいので注意しましょう。
肺水腫は気がつかないうちに進行していることが多く気づいた時には重度になっていたということも珍しくありません。
なので、様子がちょっとでもおかしいと感じたら『様子を見ようかな』というよりかはすぐに動物病院へ連れて行き検査をしてもらいましょう。
肺水腫もまた他の病気と同様に早期発見が重要になるので愛犬の様子は常に伺っておきましょう。