うつ伏せで目を上に向けた黒い犬
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愛犬が頻繁におしっこをするようになった、臭いもきついなんてことありませんか?

それ、もしかしたら膀胱炎の疑いがあります。

犬が膀胱炎になったからといってすぐに対処しないと命の危険があるかと言われればそうではないですが再発しやすく、慢性化しやすいのも特徴です。

今回は犬の膀胱炎の病気についてとその症状、治療法、対策・予防法について紹介していきます!

犬の膀胱炎ってどんな病気?

木の丸太に座り込む子犬

犬の膀胱炎とは膀胱と呼ばれる尿を貯蓄する器官に炎症が起きた状態のことを指します。

犬の膀胱炎の原因はいくつかありますが基本的には尿道から細菌が入り込み膀胱で炎症を起こしたことが考えられます。

犬の場合、オスよりもメスの方が膀胱炎になりやすいのです。

犬の膀胱炎には急性のもの慢性のものとの2種類があります。

急性のものでも気づかず放置すると慢性化し、他の泌尿器系の病気を引き起こす可能性があります。

犬の膀胱炎は泌尿器系の病気の中でも最もかかりやすく、再発もしやすい病気なので注意しましょう。

犬の膀胱炎の原因

うつ伏せでこちらを見る黒いラブラトールレトリーバー

犬の膀胱炎には以下のような原因が考えられます。

  • 細菌による感染
  • 尿結石
  • 膀胱腫瘍
  • 前立腺炎
  • 水分不足

これらが膀胱炎の主な原因なので、一つ一つ解説していきます!

①細菌による感染

犬の膀胱炎の最も多い原因がこの細菌感染です。

ブドウ球菌と呼ばれる細菌が尿道を通って膀胱に達した場合、炎症が起きて膀胱炎を引き起こすのです。

犬の場合、オスよりもメスの方が膀胱炎になりやすいのは排泄時に地面につく回数が多くそこから細菌が入りやすいのです。

さらに、メスの方が尿道が短いため細菌が入りやすいのも事実です。

②尿結石

細菌感染に次いで多いのがこの尿結石や尿結晶が原因の膀胱炎です。

尿結晶が固まり大きくなると尿結石に発展します。

犬に多い尿結石はストルバイト結石シュウ酸カルシウム結石と呼ばれる2種類の結石です。

その2つについて少し説明します。

ストルバイト結石

大腸菌などの細菌が尿道に入り込み、そこから膀胱炎を引き起こしてストルバイト結石になります。

細菌によって尿がアルカリ性に変わり、溶けなくなることで結晶となりそれが発展すると結石に変化する仕組みです。

ストルバイト結石になりやすい犬種

  • ミニチュアシュナウザー
  • トイプードル
  • コッカースパニエル

上記の犬種がストルバイト結石になりやすいので注意しましょう。

シュウ酸カルシウム結石

一般的には尿が生成される時にシュウ酸とカルシウムが結合し結石を作り出す仕組みになっています。

しかし、水分不足で尿の排出が少ないと腎臓がシュウ酸とカルシウムで飽和しシュウ酸カルシウム結石になるのです。

シュウ酸カルシウム結石になりやすい犬種

  • ミニチュアシュナウザー
  • トイプードル
  • ヨークシャーテリア

上記の犬種がシュウ酸カルシウム結石になりやすいので注意しましょう。

③膀胱腫瘍

膀胱腫瘍を発症して膀胱が炎症を起こし膀胱炎になるケースも珍しくありません。

何らかの影響で膀胱に腫瘍ができる場合もありますが事故や外傷によって膀胱が傷つき膀胱炎になることもあります。

いずれにせよ放置すると危険な状態になるのですぐに診察してもらうようにしましょう。

④前立腺炎

膀胱の隣にある前立腺と呼ばれる器官が炎症を起こし、それが膀胱にまで広がった場合に起こることも膀胱炎の原因の一つです。

これは年齢に関係なく発症するので注意しましょう。

特に未去勢である雄の老犬は発症することがあるので気をつけてください!

⑤水分不足

一般的には尿を排出することで尿道から入ってくる細菌を排出することができるのです。

しかし、水分不足に陥ると尿の排出も少なくなるため尿道から入ってくる細菌を体外に排出することができず結果として膀胱炎になってしまうのです。

また、水分不足は膀胱炎だけでなく脱水症状体調不良を起こす原因にもなるので注意しましょう。

犬の膀胱炎の症状

地面に体をつける犬

犬の膀胱炎の症状には以下のようなものがあります。

  • 頻尿
  • 血尿
  • 排尿痛
  • 尿の臭いがきつい

これらが主な膀胱炎の症状なので、一つ一つ解説していきます!

①頻尿

膀胱炎になると少し尿が溜まっただけでも体から尿を排出するようになり少量の尿を何回もします。

尿の量が少ないのは膀胱結石になっている可能性が高く膀胱内にできた小さな結石が尿道を塞ぐため尿が少量しか出せなくなっているのです。

1回の尿の量は少ないですが頻繫に尿をするようになるのでこんな症状が見られたら注意してください!

②血尿

これは膀胱内の細菌感染が悪化し、膀胱から出血しそれが尿と混じり血尿するということになるのです。

その時の尿の色はピンク赤茶色であることが多いです。

血尿しただけだと膀胱炎かどうかはわかりませんがここ数日頻尿をしていた場合は膀胱炎である可能性が高いです。

血尿と同時に嘔吐するようであれば急性腎不全なのですぐに動物病院に連れていきましょう。

③排尿痛

膀胱内で起きた炎症が尿道にまで広がると排尿する際に痛みを伴いこともあります。

排尿痛の場合、犬が排尿する際に『キャッン!』と鳴くためそれで異変に気づくケースがあります。

その時は尿の状態、普段の愛犬の動きなども気にしてみましょう。

膀胱炎の特徴らしきものが見られる場合もよくあります。

④尿の臭いがきつい

膀胱炎になると尿の臭いがきつかったり色が濁っているといった傾向があります。

それは膀胱内で菌が繁殖するためにそうなるのです。

色も濃い黄色だったり、膿が出ていると白く濁っている場合もあります。

ここ最近、尿の臭いがきついなと感じた場合は膀胱炎の可能性があるので尿の状態や愛犬の動きを気にかけるようにしましょう。

犬の膀胱炎の治療法

臆病な白い犬

次に犬の膀胱炎の治療法について紹介していきます!

①抗生物質の投与

特に細菌感染で膀胱炎を発症した場合は抗生物質を投与することで治療していきます。

投与する薬にも種類があるので菌に合った抗生物質を投与するようになります。

投与する期間は薬によっても異なりますがどの薬も最低でも1週間近く投与することが前提になります。

②外科治療

尿結石や膀胱腫瘍によって膀胱炎を発症している場合は外科治療として手術抗がん剤治療が行われます。

結石や腫瘍は他の病気を引き起こす可能性が高いので早急に摘出する必要があります。

手術で摘出できないくらいの大きさなら抗がん剤によって治療を進めることもよくあります。

③食事療法

結石でも手術でなく食事療法で治療を進めることもあります。

先ほど挙げたストルバイト結石なんかは食事療法で治療することができます。

低カルシウム、低マグネシウム、低タンパク質の食事をさせることでアルカリ性だった尿が酸性に傾き始め正常に戻るのです。

一方で、シュウ酸カルシウム結石は食事療法では治療できないので外科治療によって対処していくようになります。

犬の膀胱炎が疑われた際の検査法

布団の上に体をつける犬

愛犬がもしかしたら膀胱炎かもしれないという時の検査方法について紹介していきます!

①尿検査

膀胱炎を疑う場合はまず尿検査を優先的に行っていきます。

これで尿のpH血尿の有無尿中に細菌や尿結晶がないかなどの確認をします。

さらに、尿の濃さなんかも数値化できます。

②レントゲン検査

これは尿結石の有無を発見するために行われます。

また、レントゲン検査によって尿結石の位置その数まで調べることができるのも特徴です。

③エコー検査

エコー検査をすることで膀胱の状態炎症の進行度尿結石のおおよその数などを調べることができます。

それ以外にも膀胱内に腫瘍がないかなどの確認もできます。

エコー検査で尿結石や膀胱腫瘍が疑われる場合は確実な判定を出すためにレントゲン検査も実施されます。

犬の膀胱炎の予防・対策

床に寝っ転がるジャックラッセルテリア

犬が膀胱炎にならないための対策や予防法について紹介していきます!

①水分をたくさん取らせる

水分不足になると尿の回数も少なくなり尿道から入ってくる細菌を排出できなくなり膀胱炎になりやすいです。

そのため水分を多く取らせることで尿も出やすくなるので細菌の侵入を防ぐことができます。

また水分補給をしっかり行うことで膀胱炎だけでなく脱水症状や体調不良を防ぐことにもなります。

②トイレを我慢させない

尿を出すことで尿道から入ってくる細菌を追い出すことができるので愛犬に尿を我慢させるのはやめましょう。

さらに、尿が膀胱に長い間溜まり続けると膀胱炎を引き起こしやすくもなります。

なので、愛犬にストレスを与えて尿を我慢させてしまうようなことは絶対にしないでください!

③疑いがあればすぐに動物病院へ!

少しでも膀胱炎の疑いがあれば動物病院で検査してもらいましょう。

膀胱炎は気づかないで放置すると慢性化しやすく気づいた時には大事になっていることもあるので早期治療が大切です。

尿の状態や愛犬の動きなど普段からチェックしていると膀胱炎かもしれないと気づきやすいです。

【まとめ】愛犬を膀胱炎から守ろう!

目が少し赤いブルドッグ

愛犬を膀胱炎から守ってあげましょう!

『膀胱炎かも』と少しでも思い当たる節があるのであれば動物病院に連れて行き検査してもらうと良いです。

膀胱炎は慢性化しやすいのと再発しやすいのが特徴なので異変を感じたら早めの行動を取ることが愛犬を膀胱炎から守ることに繋がります。

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